羽アリの季節

ゴールデンウィークに突入、この時期は「羽アリの季節」でもあります。

朝から晴れ、気温が上昇していくと、羽アリが飛び立ちます。
羽アリはシロアリ被害の注意信号です。

関東地域でも、ここ数日羽アリが発生しています。
羽アリは、突然出てきます。外出中に羽アリが出た場合には、羽だけが残っています。

羽アリの発生が起こってしまった場合、皆さん驚いてしまうかも知れませんが、落ち着いて対処ください。
羽アリの発生自体は、長くても２時位で治まります。
人を刺したり、ダイレクトに木材を食害したりしません。

建物のシロアリ被害の状況も、羽アリが出たからといって物凄い被害とは限りません。
羽アリの発生があっても、すぐに建物が傷むわけではありません。

処理が不十分

築年数の古い建物ですが、玄関周りを改築しています。
２年程前に大手シロアリ業者さんにより、シロアリ処理を施していますが、羽アリが出てしまいお問い合わせを頂きました。
処理を行った業者さんへも連絡したようですが、「しばらく様子を見てくださいと言われ、その後も何度か連絡したが返事が無いそうです」

羽アリが出たところを調査したところ、改築をしていることが判明。
コンクリートの打ち継ぎと、以前の玄関タタキタイルがはっきり床下に残っており、新たな土台を入れているため、タタキ下のコンクリートなど隙間だらけです。
羽アリは、床下に残ったコンクリート下に生息しているシロアリによるものです。

床下の状況を考えずに、薬剤を撒くという処理を施したために、不十分な処理となってしまった結果です。

増改築などを施している建物の状況により、通常の方法では薬剤がきちんとシロアリに届かないことがあります。

シロアリ被害の兆候

羽アリの発生が始まりました。
こちらのお宅は、まだ羽アリが出てきていませんが、窓枠近くのクロス部分に穴が開き、砂粒のような土が出てきて相談を頂きました。
よく見ると穴から兵蟻が顔を覗かせています。
羽アリを出すための準備です。
数日後にはこの穴から羽アリが出るでしょう。

建物の構造は、土間床の基礎外断熱です。
床下にはまったく入ることが出来ません。

基礎に施した断熱材より、シロアリも羽アリも確認出来ました。

羽アリが発生する前にも、このようなシロアリ被害の兆候を発見することもあります。

侵入経路が隠れています

築４０年を超える建物です。
昨年お風呂場より羽アリの発生があったため、今年は状況を調査しておこうと思ったそうです。

羽アリの発生があったお風呂場を含め、他の部分にも複数個所シロアリ被害があります。
シロアリ自体も確認しています。

この建物で問題なのは、基礎がブロックによる造りなのです。
お風呂場部分や、玄関の土留め部分だけブロックの造りは多いのですが、基礎すべてがブロック。
シロアリ被害部に蟻道がまったく見られないのです。
ブロックは内部が空洞です。
この空洞部分より、シロアリが侵入しているのです。

基礎表面に蟻道を構築している処理よりの、薬剤の届け方に工夫をしないと不十分な処理となってしまいます。

薬剤は入らない

１５年以上前に農協の委託業者でシロアリ処理しているお宅です。

ご近所で同時期にシロアリ処理したお宅で、畳へのシロアリ被害が発覚し、今回処理を施すことから心配になり必要な処理をして欲しいとの御要望です。

現在シロアリの被害はありません。
住まわれている方のご希望により、お風呂場と玄関周りの最小限必要箇所の予防的処理を施しました。
他の部分は、定期的に管理点検していきます。

以前処理を施した業者さんは、土台部分に穴を開けています。
ためしにその穴に薬剤注入してみたところ、吹き出してしまいます。薬剤は土台に入っていかないのです。

写真は玄関框の床下側の処理ですが、土台の裏側へ薬剤をまわしているところです。
基礎と土台の隙間から薬剤が出てきています。
土台の裏にも薬剤が届いた証拠です。

シロアリに食害を受けてしまった土台の処理には、穴を開けて薬剤注入が効果的な場合もありますが、シロアリ食害の無い土台の場合には、薬剤は入らないです。

アシナガバチ駆除

毎年少数ですが、ハチ駆除のご依頼を頂きます。

昨年駆除したお宅から、「今年もハチが昨年駆除し巣を取り除いたところに、またハチが来ている」と連絡を頂きました。
昨年と同じ、アシナガバチです。

越冬したハチは、４月中旬から５月位に巣を作るために飛び回ります。
今回は飛び始めの状況で、雨戸の戸袋に５０匹程かたまっていました。

巣作りが始まると、女王ハチ一匹となるのですが、この時期は巣を作る場所を探し、複数匹でかたまっていることがあります。

アシナガバチはスズメバチと比較するとおとなしいものですが、産卵を始め巣が大きくなるとやはり注意しなくてはいけません。

使えるものは使う

巾木とタイル目地コンクリートの隙間へ、薬剤処理を施しています。
隙間は僅か。

ドリルでコンクリートに穴を開けることが出来ない為、出来る限り細いノズルが必要です。

市販の殺虫スプレーの付属しているノズルと、シリンジを組み合わせています。

細いノズルでは薬剤が少ないと考えている業者さんがいますが、そんなことは有りません。
大きな穴を開け、薬剤を入れ込むのは無駄な薬剤使用に過ぎません。

時間を掛けて薬剤を入れ込めば、細いノズルであっても十分に駆除は可能です。
薬剤を効率良く入れるために、使えるものは工夫して使います。

土間床のシロアリ被害

数日前に羽アリが出てしまったお宅です。
築１０年、昨年も同じ所から羽アリが出ています。

写真は、キッチンの流し台下です。
タイルが貼られている下は、コンクリートで固められている土間床です。
キッチンスペース約３坪程は全体にタイル張りの土間床構造で、温度調節を施している蓄熱の床です。

土間床構造ですので、床下に入ることは出来ません。
配管奥のタイルと巾木部分から羽アリが出た状況、調査の時点でも数頭の羽アリと兵蟻を確認しています。

建てている途中段階で、お施主さんが写真を撮っており、配管の設置を施すために一部コンクリートにベニヤの型枠が入っていることが確認出来、この部分からのシロアリ侵入と推測できます。

シロアリ駆除のために、タイルを剥がすような大事には出来ません。

シロアリ侵入部分に、どのように出来るだけ建物にダメージを与えずに、薬剤を届けるかが重要です。

薬剤の届き方

たまたま配管を通すために、基礎に穴を開けてある現場だったので、薬剤の届き方を見てみました。
処理をしている場所は、お風呂場です。

洗い場のタイル下は盛り土が施されているため、タイル下側から土台にシロアリ被害が起こりやすい場所です。
お風呂場のタイルした処理の方法はいくつかあります。
この現場では床下側から可能な部分には処理を施しました。
土台に穴を開けることなく、基礎と土台の隙間より薬剤を入れています。

基礎に通した配管部分から、タイル下の盛り土が僅かですが見ることが出来、その部分より薬剤が入り込むことも確認しました。
薬剤をシロアリ侵入の可能性があるところに届ける方法は、建物の構造を良く見て出来る限り建物にダメージを与えない方法を選択するべきです。

見た目も大切

玄関のドア枠部分にシロアリ処理を施しているところです。

以前に他社で、シロアリ処理を施しています。
ドア枠の下部に、３箇所ほど木栓が埋められています。
ドア枠部分にドリルで穴を開けて、薬剤注入をした痕です。

見た目が、玄関部分で目立ってしまい、格好悪いです。
今回は、柱に穴を開けることはしません。

タイル目地より薬剤注入を施しても、効果の違いは無いのです。
シロアリ処理を施す場合、処理の痕の見た目も大切にしないといけません。