駆除と予防
基礎内断熱を施した建物から、羽アリが出てしまい現状の調査を行いました。
建物全体に、空気循環を施した土間床構造です。床下の高さは約15cm位、とても床下には入れません。
室内への空気の循環を行うため、各部屋に吹き出し口が設置してありますので、床下をのぞき込むことは可能です。
羽アリが発生した場所は、玄関に近い部分です。
ベタ基礎の造りですから、侵入は基礎に施した断熱材を経由しています。建物周囲を調査したところ、外側の基礎からも蟻道を構築し、シロアリ侵入があります。
この場合、建物全体の予防は極めて困難な状況です。業者によっては、各部屋の吹き出し口から、床下に薬剤散布すれば「予防できます」という提案をするかも知れませんが、基礎内断熱を施している場合は、不可能です。
空気循環を各部屋にしていますので、床下への薬剤散布は極力行わないことが望ましいです。
お施主様には、予防は諦めて貰いました。管理しながら、シロアリを監視していく方法です。(ベイト工法)ではありません。
玄関部分と、基礎に蟻道を作っているシロアリコロニーをまず駆除します。
建物の構造上、予防できない事があります。建物の構造とシロアリ侵入を考え、最小限の駆除を施し、しっかりした管理を今後続けることが重要な物件です。
2010/07/31 (Sat)